誰かが聴力を失ってからでは遅いです。Amazon に出来ることは、音量操作に関わる API の使用状況など最低限の情報を公開するか「DAP での Amazon Music アプリ使用は危険だから使うな」と周知するか。HiBy に出来ることは、こういった問題が発生することをもう前提として置いてしまって、全ての DAP 購入者が集い情報交換できるコミュニティを用意してしまうとか。利用者が「全て承知で使った。もう自己責任でしゃーないな。」と言える環境にしてしまえば、等々。HiBy 本体のほか代理店が取り組んでもいいでしょう。ほんとうに誰かが聴力を失ってからでは遅いです。明確に Amazon Music アプリを禁止してはいない状態ですから、これが原因で聴力失った方がアメリカで裁判起こしたら判決はどうなるのだろうかと思います。
Amazon Music アブリを起動しただけで音量が最大になっています。また、この DAP を使い始めてそろそろ半年を迎えようとしていますが、この現象は10月に入って初めて喰らいました。
Amazon Music アブリの更新 (バージョンアップ) で、初期化に関する処理を変えたのでしょう。別の API を使うようにしたのか、それとも引数を増やしたのか等までは分かりません。コードを書いた人なら分かることですし、また同 API を使ったプログラミングを日常的にしている人なら「たぶんアレだな」と連想出来るのかと思います。
Android OS には音を鳴らす処理に関して複数種の API があります。様々な音楽再生アプリがありますが、どんな API の使い方や鳴らし方をするかはアプリの開発者次第のところがあります。OS を使わずに完全に自前でやるケースもありますし、自前と既存の API を組み合わせているケースもあります。HiBy はできるだけ多くのアプリで 192kHz にし、且つハードウェアでの音量操作ができるように頑張っていると思いますが、網羅できてはいなかったのでしょう。裏を返すと、HiBy のエンジニアが想定しえない奇妙な API 操作を Amazon Music 側でしているのかもしれません。
Google Play ストアでない他のアプリ配信サイトには、過去のバージョンを配信しているところもあります。特に中国系のアプリ配信サイトには多いです。お勧めはしませんが、そういったサイト*4で過去のバージョンの Amazon Music アプリを入手するのは一つの手だと思います。
まめに音量を確認する、は危なそう
「Amazon Music アブリ起動直後に音量が最大になるのだから、アプリ起動直後に上がった音量を下げればいいのでは? 」と考えるのは自然です。しかし、お勧めはできないです。Amazon Music アブリ起動直後に音量が最大になることは再現確認までしていますが、他の遷移での発生状況を調査・検証していないからです。アルバム1枚聴いたあとで次のアルバム選択したときに初期化が走るかどうかとか、プレイリスト中で曲のサンプリングレートが変わったときに初期化が走らないかとか、Sleep からの復帰では初期化が走らないかなど「起動時以外のタイミング入る初期化」で音量変化が発生する可能性は潰していません。発生する現象が最大音量になるという危険なもの故に、リスクが高すぎると思います。
お小言的なこと
このブログの読者の方でしたら、上記の諸々全てが「想定内」なんですよね。 過去の記事に書いた通り。これが Amazon Music というサービスの質ですし、Android という OS の出来ですし、AndroidDAP の限界というものなんです。ほんと、ダメなんです。Android の 14 でロスレスに対応したようなので将来的に改善する望みは出てきていますが、現状は以下の記事の通りです。
そして、DAP 各社が行っている OS へのパッチは、ビットパーフェクトで流すことではなく最大音量・最大周波数への変換ですから、そのまま最大音量でアナログにして流してしまい耳を破壊する事故へのリスクをゼロにすることができません。限りなくゼロになるよう各 DAP メーカーが努力しているので、我々がそのことを忘れてしまっているだけです。いや、そのリスクをメーカーはあまり説明せず、また知らずに聴いているユーザーが大半なのが実態ともいえます。Android OS で高音質を目指した際の音量処理については、こちらの記事に詳しいです。
HiBy R6 Pro II を購入して三か月ほど経ちました。 時間経過と共に新鮮さを失い、多く所有する再生機の一つとなったことで自分なりの評価が定まりました。評価が定まったにも係わらず何台もの音楽専用再生機を持ち続けるというのは愚かしくはあるのですが、その状態になりますと頻繁に手が伸びる機種とそうでない機種という違いが出てきまして、これが理屈や他人の評価を抜きにした「純粋な聴き心地の良さ基準での自己評価」となる良さがあったりします。
前回の記事 HiBy R6 Pro II 購入後インプレッション の記事内で「周囲が静かでないと音が聴き取りにくくなりますが、それは一律にではなく可聴域外に近い高音や低音から順に失われます」とお話ししました。そして「聴き取りにくい高音や低音を補うべく音量を上げると、聴き取りやすかった中音は必要以上に強く聴こえますよ」ともお話しました。 これが先ほど書きました「高音・低音の量感に関する評価を額面どおり受け取れない」重要なポイントとなります。
あなたにとって快適な音量はどのぐらい ?
どこの掲示板で書かれていたか失念しましたが示唆に富む素晴らしいエピソードが書かれていたのを記憶しているので簡単にご紹介します。 FINAL D8000 という非常に高価なヘッドフォンをお買いになられた方のお話です。ある楽曲のあるパートに入ると必ず音がビリビリとしてしまうそうで、故障や不良の類ではないかとメーカーの FINAL に問い合わせたとのこと。ヘッドフォンを受け取った FINAL のサポートの方が調べた結果、問題はなかったと返信・返送したそうです。その方はあらためて音楽を聴きましたが、やはり振動版がビリビリ鳴るとのことで今度は使用機材や楽曲など詳細な情報も加えて問い合わせなさりました。結果、FINAL のサポートにて再現確認ができまして、問い合わせをなさったお客様向けに振動版の可動域を調整しなおして無事に解決をしたそうです。
前回の記事 HiBy R6 Pro II 購入後インプレッション に記載したものと大きく変化はしませんでした。音に癖がなく滑らかに鳴らします。そして非常に解像度が高いため、結果として音源にシビアだという感想です。
癖のない音色
何か良い例えはないかなと暫く考えまして、それっぽいものを一つ思いつきました。 昔から DAP に注目していた方なら SONY の先代のウォークマン比較で「NW-WM1Z と NW-WM1A なら、NW-WM1A のほうが好み」という方がいた話を覚えている方もいらっしゃるてしょうか。この NW-WM1A を好む方には向いているかもしれません。 とはいえ、あくまで音の好みの傾向を例えただけの話でして、7年も前に発売された 1A と 最新の R6 Pro II を真っ当に比較したら 1A は辛いと思います。そして、過去記事から察するかと思いますが、私は NW-WM1Z 派です。私の好む音場よりちょっと狭いけど艶のある音をぐっと鳴らす 1Z に、音場の広い HA-FD10000 を組み合わせて使うというのを好んでいました。
好みではない「艶のない音色」について
「ということは、R6 Pro II はお前の好みではないじゃないか」と突っ込まれると、おっしゃる通りでぐうの音もでないのですが、音源を着色せず精度高く音へ変換するという傾向のお蔭で「ヘッドフォンやイヤホンで管弦楽団のホール録音は無理」という私の評価を変えてくれました。定位の再現性が高く位相ズレの少ないイヤホンと組み合わせた際の空間描写は素晴らしく、私がいままで試聴ないし所有してきた製品の中では唯一無二とも言える存在です。
ここまで聴いていただいたところで散財をまだしていない方向けの話題に戻ります。 イヤホンやヘッドフォンでは、最初に挙げた「Opera」のような空間描写を活かした音源は角の取れた音が耳の傍から平面的に聴こえるだけになってしまい、奥行きがある広い空間に配したところから音が響いているようには聴こえないと考えていました。スピーカーでないと無理だと。ところが、HiBy R6 Pro II は定位の良さと微小音をそのまま再生させる解像度の高さとがあるので、マイクを通して音源に保存されたホール内の反響音の再現性が高いのでしょう、イヤホンやヘッドフォンでも立体的に聴き取れたというわけです*5。
更に、同意していただける方も多そうな余談をもう一つ。 素直に演奏を楽しめれば一番よいのですが、一聴して「前のアルバムとは随分と音作りを変えたなー」とか「かなりマイクを離して録ったなー。空間再現性の高い機器でないと音源のもつ本来の美しさは出ないかもな。」などと考えてしまうのがオーディオに嵌ってしまった者の悲しい性でではないでしょうか。 そして、もし Opera を一発で「奥行は最初から感じましたよ。エッジを丸めてリバーブつけた音が耳元で鳴っている感じなんて無かったです。」という再生ができた方、是非機材をご紹介ください。(きっと、かなりのお値段の組み合わせではないかと…)
R6 Pro II の傾向「音源を着色せず高精度で音へと変換する」というのは「自分好みの音に変えるには最適」という解釈もできますし、また使ってくださいと言わんばかりにバランスのラインアウトも存在します。 常日頃から散財したくないと願っていたのですが買ってしまいました。 アナログのポタアン AK PA10 です。最新の価格については下のリンクでご確認をしていただければと思いますが、わたしの購入時の価格で約8万円でした。毎度お金の話はしんどいですが、R6 Pro II と合わせると 20万円越えです。カフェ使いで感じられる程度の高音質 DAP と言っていたのに、ありえない金額に達してしまいました。 前回の記事をアップロードしてから半月ぐらいあとに買ったので、当時はそれなりに我慢をしていたのだと思います。半月も悩んで買ったのなら衝動買いではない、致し方ないと自分を慰めます。
ジャンル的にはアナログのポタアンになります。購入した音源やストリーミングなどのデジタル音源を音に変換する機能はありません。別の機材で音に変換されたものを入力に使い、ヘッドフォンを鳴らせるだけの高出力へと増強する機材です。入力にアンバランスたけでなくバランスもあるものは意外と少なく、その数少ない機種の一つがこれです。HiBy R6 Pro II は、3.5mm アンバランスと 4.4mm バランスのライン出力端子をもっているの都合よい組み合わせになります。
4.4 mm のケーブルは付属していない
本体に付属している接続用ケープルは 3.5mm アンバランスのみです。4.4mm バランスは別途自分で用意する必要があります。ところが、短めの 4.4mm バランスケーブルというのは選択股が少なく、良品をお安く買うことが困難です。 毎度のことですが、私は手持ちの SONY キンバーケーブルの切れ端で自作しました。
AK PA10 単体では音を出せないため、必ず何かしらの再生機と組み合わせて使うことになります。そのため、再生機を積み重ねようとしたくなるのですが AK PA10 は片面に段差があるので、積み重ねてテーブルに置くのが困難です。 この段差、下にリンクを貼ったケースを購入し装着したら無くすことができました。
HiBy R6 Pro II の Line 出力は アンバランス / バランス各々 2Vrms/4Vrms で、AK PA10 側の入力も各々2Vrms/4Vrms となっているため HiBy R6 Pro II の音量を最大の 100 にして AK PA10 側のツマミだけで音量調整しで問題ありません。 幸いなことにギャングエラー*6も感じておりません。
どうなんだろう、何かの間違いなのではないか。さすがに艶っぽさは AK PA10 の影響だとしても中低音の厚みというシンプルなものなら AK PA10 を介さず素の状態でも、もう少し存在してもいいのではないかと思い MDR-Z1R を使い聴き比べの実験をしてみました。
アンプのゲイン切り替えで変わるのではないか
AK PA10 経由で聴いた後、素の状態にしつつ同じぐらいの音量にして聴き比べる、というのをアンプのゲイン切り変えを挟んで試しました。巣の状態の際に、同じような聴感でも Low Gain で Volume を高くした状態か、High Gain で音量を絞った状態かという選択ができるので、その違いが音質に現れるのかという実験です。私の耳では以下の 3 つの状態が、大体似たような音量に感じ取れました。
Gain Low / Volume 30
Gain Middle / Volume 25
Gain High / Volume 20
で結論ですが、中低音の量感は違いました。Gain High / Volume 20 のときのほうが厚みが出ます。Gain Low / Volume 30 のときのほうが薄いです。 AK PA10 のときの厚みを 10、素で Gain Low / Volume 30 のときの厚みを 1 とすると、Gain High / Volume 20 のときは 4 とか 5 ぐらいまで厚みが出る感じです。ゲイン切り替えだけでそのぐらいは変わります。
ポタアンを買わなくても
買って実験をしたのでよくわかりました。中低音の厚みをもう少し欲しいという一点であれば、いきなり AK PA10 などのポタアンを買うのでなく、いちど Gain High を試すことをお勧めします。散財開始は試してからでも遅くありません(苦笑*9 )
また、試聴等でも Gain の Low, Middle, High は一通り試した方がいいです。イヤホンで Gain 切り替えでの変化が出るかと問われますと「私の手持ちのものでは殆ど感じない」という返答になるのですが、ヘッドホンでしたら「私の手持ちのものなら確実に変わる」という返答になります。皆様がお持ちのイヤホンでは変わるかもしれません、 Gain 切り替えは簡単に試せますので、判断は試してからでも遅くありませんです。
A と B が違うということはわかるが、どちらにどのような良さがあるかまではわからない。ということはよくあると思います。 更に、この A と B の差が脳トレの間違い探しみたいな僅差になると、どこに何の違いがあるかさえわからない、ということが起こります。間違い探しクイズだと実感できるでしょう、はじめ全くわからなかったものでも正解を知った後なら一目で違いを見つけられます。この「本物や正解を知っているとすぐにわかるが、知らないとわからない」「違いがあることさえわからない僅差もある」というのがこのアンチエイリアスフィルタです。 前項でシンバルの打ち込み音は生演奏比で云々という話をしましたが、これは私が某ジャズクラブで数m先の石若駿さんがものすごいドラムソロを演奏なさっているのを聴く機会を得ていたから触れることができたに過ぎず、生演奏を聴く機会に恵まれていなかったらきっと「打ち込みとスタジオ収録の音は明らかに違う」という話以上のことはできませんでした。
これは、HiBy R6 Pro II で採用している DAC、旭化成製の AK4191 で搭載されている計算処理の種類です。「このなかから良いと思う音を選べと言われてもなぁ」と感じる方も多いのではないでしょうか。また、私のように変えて聴き比べても何処が変わったかすぐに掴めなかったという方もいらっしゃると思います。 アンチエイリアスは元のアナログデータに似せる処理です。つまり、元のデータはこうなっている筈だ(元のサウンドはこうなっているはずだ) と理解できる人でないと「これだ」とチョイスすることができません。本物や正解を知っている人だけがわかる問題の典型例です(苦笑)。
であれば、ハイレゾ音源で一生懸命聴き比べても素人にはわかりにくい。それなりにガチャついた CD 音源で比べたほうが違いが出るでしょう。私と同様に「何処が変わったかさえわからない」と感じる方は CD 音源で試してみてください。
正解がない、正解がある
先ほど「どんなデータに対してもソックリに似せられる万能な計算方法というものは無く、あるデータでよく似た状態になるけど、あるデータでは似ないということが起こります」と記しました。そういった意味では、上に挙げたアンチエイリアスフィルタのどれを選べば OK というような正解はございません。しかし「間引く前の音」という根本となる正解ならございます。それを知る者は「このアンチエイリアスフィルタが最も近い」という特定条件下での解を導くことができます。
難しさの原因のひとつに、DAP を使うシチュエーションが据え置きタイプと比べ多様だという点があります。 据え置きタイプは静かなところで腰を掛けて音を楽しむものですから、静かな環境で良い音であるよう開発されますし評価もします。ところが、DAP を使用するシチュエーションは人によりバラバラ。ある環境では OK だけと別の環境だと NG になったりと、評価基準が一定にはなりません。どのようなシチュエーションでも合格点という最大公約数的なものを開発するのは不可能なのではないかと思うほどです。三つほど具体例を挙げてみたいと思います。
そんな信頼を欠いた状態ですので、同じ中国でも違うメーカーとはいえ 10万円クラスの DAP を「ダメなら売ればいいや」と買う気にはなれません。しかし、HIBY だったら試しに買ってもいいと思えました。 このメーカーは自社の音楽再生アプリ「海貝音楽」を Android 用の無料アプリとして配信していました。ふだん Android 端末で USB Audio player pro をメインに使用している視点で見ても「もしも無料アプリのなかからしか選べなかったら海貝音楽にするかな」と思える出来栄えです。もちろんギャップレス再生可能です。
アプリ「海貝音楽」への安心評価があるのと、このメーカーの製品はどんな音を奏でるのだろうという「ときめき」があるのとで、新作 DAP の HiBy R6 Pro II を選びました。この DAP に関するサイトの説明で、無意味なパワー競争から脱却しイヤホンで最高の音を求める方向に進んだ書いてあるのを見ました。いいですね。
JVC のポタアン SU-AX01 や SONY の NW-WM1Z などは音に艶があるという印象をすぐに感じたのですが、この機種は、そういうものがありませんです。手持ちのものだと、Gustard の DAC A18 や Chord の ポタアン Hugo2 の系統に属する印象です。流麗で滑らかだけど分解している感じです。Gustard A18 は、中音域に芯や密度を感じて、それが低音域や高音域にふわっと広がっていくようなイメージがあるのですが、この DAP はそれに近いです。 酷くシャりついた生音の多重録音で暴れまくる高音域をどう裁くかという試聴に、椎名林檎のアルバム「日出処」の NIPPON *4 の間奏を普段使っています。上記の印象がどの程度のものか知るために聴いてみました。かなり抑え気味に鳴らしていました *5。 Hugo2 に近いという印象が正確かどうか確認するため、いまいちど聴き比べてみました。Hugo2 には FOSTEX の大型ヘッドフォン TH-909 を組み合わせることが好きなので、敢えて R6 Pro II にも TH-909 を接続してみました。曲は、たまたま目についた H ZETTRIO のアルバム Beautiful Flight のなかから Beautiful Flight です。 結果、確かに似ていました。似ていましたが R6 Pro II のほうが軽かったです。Hugo2 のほうが中低音、ダブルベース*6の音に響きがあります。シンバルの音は R6 Pro II のほうがシャリンとしています。この感想、注意しないといけないのは TH-909 を使っているという点です。R6 Pro II で TH-909 サイズのヘッドフォンを使うこと自体がイケてない可能性があります。この軽やかさが、組み合わせとして不適切なもの故のものか地で何を使っても同傾向なのか、これから確かめていきたいと思います。
ノイズの心配はなさそう
Moondrop の KATO や JVC の HA-FW10000 など手持ちのダイナミック一発イヤホンでは全くノイズを感じませんでした。ノイズ確認のため、敢えて普段使わないマルチ BA のイヤホンを引っ張り出してみました。手持ちの機材に次々と刺し、ノイズが出るもの出ないものとを行き来しました。結果、R6 Pro II はノイズが出ない方の部類に含まれました。
アンプの A と AB の切り替えですが、ちょっと試しただけではわかりませんでした。唯一「あっ」と感じたのは MDR-Z1R のパッと聴きの際にバスドラムの立ち上がりが気持ち鋭くなった気がしたときぐらいでしょうか。これも気のせいかもしれません。 UI 操作一発で切り替えられるようにはなっていますがデジタルに変わるものでなくジワっとアナログライクに変わるんじゃないかとか、ノイズ処理や歪に関する効果なら音の消え際を楽しめるような良好な環境下で試さないと感じられないのではないか、等々と言い訳を考えて「ちょっと試してすぐに実感できなかった自分」を慰めました。
優秀な録音には美しく応えますが、そうでもないものは容赦なく鳴らします。過去、CD 音源で「これは良い」と思っていたものを HiBy R6 Pro II で聴くとノイズフロアの高さや僅かな音の歪みなどが耳につき「この程度の音だったっけ」となってしまいました。元々イマイチだと感じていた音源は聴くに耐えなかったです。手元に残している他の再生機が、各々方向性は違えど「イマイチな音源も、それなりに美しく奏でる」能力をもっていることもあり、ここまで残酷な再生機を所有することになったのは初めてです。