オーディオ 試行記録

多くの個人プログやネット記事に助けられました。私の経験を還元したくです。

Amazon Music HDをビットパーフェクトで聴く(機種追加編)

Amazon Music HD の記事を前編、後編に分けてアップロードしたのは 2022/9 ですが、私が NODE 2i を導入したのはそこから 2年も前の 2020年でした。いつか書こうと年単位でダラダラしていたら、NODE 2i は無くなり NODE へと変わっていました。既に時代遅れ、「遅かった」のひと言に尽きます。

最近になり買って試した機種がお勧め出来るものでしたので追加したいと思います。WiiM Mini という製品です。今度こそ、どなたかの役に立つよう「遅かった」となる前に書こうと思います。

前後編から機種追加編への流れを簡単に

前後編を読まずに済むよう簡単に触れておきます。

ダウンロード購入した音源向けの再生環境を構築していると、ストリーミングは購入音源に比べどうしても劣ってしまい、同等に近づけるにはビットパーフェクトでデータを送ることが必須だと前編 [ Amazon Music HDをビットパーフェクトで聴く(前編) ] にて記しました。

Amazon Music HD の場合、機材(ストリーマー) ならビットパーフェクトで送り出せるものがありますが、残念ながら PC や スマホDAPですと容易に実現できませんと後編 [ Amazon Music HDをビットパーフェクトで聴く(後編) ]にて記しました。

この機材追加編を書いている 2022/11 現在、相変わらず PC や スマホDAP では残念な状況が続いていますが、機材(ストリーマー) ではビットパーフェクトで送り出せるものが数機種から選べる状況になっていました。それらは Amazon Music HD 専用に設計されているわけではないので、機能面や入出力端子の構成などで大きな違いや特徴があります。各々の特徴を基準にご自身のオーディオ環境にマッチしたものを選ぶのが一番良いかと思いますが、特徴が決め手とならない場合には Amazon Music HD の使い勝手で選ぶのが良いかと思います。

そんなわけで、せっかく NODE ( 私のは一世代前の NODE 2i ) と WiiM Mini の2機種を所有し、どちらもお勧めできますので Amazon Music HD の使い勝手を中心に両者を比較しながらご紹介します。

購入動機

NODE 2i 購入当時は Amazon Music HD をビットパーフェクトで聴くことが可能な唯一の選択肢で飛びついたのですが、今回の WiiM Mini では単純に低価格だというのと「やっと、ついにこういう製品が現れたか」という感慨が購入の引き鉄になりました。

同じ用途の機材を 2台も要らないといえば確かに要らないのですが、DAC を複数台所有していることもあり、使い勝手を NODE 2i と比較して上手いこと両方とも活用すればいいやと考え購入してしまいました。

いま書いていて思いますが、こういう買い物の仕方は無駄遣いといいますね。良くないです。

外見

開封 ( WiiM Mini のみ )

NODE 2i のときの開封写真が無いか探したのですが、残念ながら見当たりませんでした。ご容赦ください。WiiM Mini は開封時の写真を撮りました。

WiiM Mini の開封直後

フルカラー印刷の綺麗な箱に収められていました。シンプルな梱包が増えつつあるオーディオ機器よりもスマホ等のガジェットの雰囲気に近い梱包です。

続いて WiiM Mini の付属品の写真です。

WiiM Mini と付属品。ケーブルは4種。

本体のほか、電源供給用の USB ケーブル、SPDIF デジタル出力用の TOSLINK ケーブル、アナログ出力用のケーブルは 3.5mmステレオミニプラグと RCA ピンプラグの2本が同梱されています。

本体サイズ

本体の大きさを比較してみます。

本体サイズの比較。左奥が WiiM Mini 、右が NODE 2i 、左手前は本文にて。

左奥が WiiM Mini、右が NODE 2i です。左手前のいちばん小さく丸いものは、今は亡き "Chromecast Audio" です。この製品、7年も前の 2015年に発売されたものなのですが、96kHz 24bit のデジタル出力ができて 5GHz 帯のWi-Fi にも対応。値段はなんと約5千円と破格の製品でした。同ジャンル製品の始祖ということで比較写真に収めてみました。 WiiM Mini の開発陣の頭には、Chromecast Audio の存在が強く意識されていたのではないかと想像したりします。

操作パネル

前述の「本体サイズ」の写真をご覧ください。どちらも本体上部に矢印があるのが見えると思います、この部分がタッチセンサーです。ここに触れて操作します。

と記しましたが、どちらも操作パネルでは最低限の操作しかできません。音楽の再生と停止や音量操作、長押しでリセット等の重要操作程度です。ネットワーク機器なので細かな操作はリモートコントロールでやってくださいという、設計思想です。

入出力端子

入出力端子の比較です。

入出力端子。左が WiiM Mini、右が NODE 2i。

WiiM Mini には アナログ入出力用に3.5mm ステレオミニジャックが2つ、電源供給用に USB-C 端子、SPDIF デジタル出力用に TOSLINK 端子が並んでいます。必要最低限をまとめた感じでしょうか。

一方、NODE 2i にはオーディオ機器らしい数の入出力端子が備わっています。
数が多いため全ての説明は省きますが、今回の記事での主役となるデジタル出力には、SPDIF 形式で光用 TOSLINK 端子とコアキシャル用 RCA ピンジャック。そして現行機種の NODE では USB 出力にも対応しています。写真にある旧機種 NODE 2i は USB 出力未対応です。
また、現行機種の NODE には HDMI eARC 端子が追加されています。TV や Blu-ray レコーダー等からのデジタル音声を入力にすることが可能です。
最後に写真いちばん右の電源部分ですが、本来は AC 100V の電源ケーブルを挿すメガネ型の端子があります。私のものは 5V DCジャックに改造してしまっています。改造について触れると長くなるので省きますが、AC アダプターやバッテリーで駆動できるようになっています。代理店の保証対象外となりますので改造の際にはご注意ください。

Amazon Music の使い勝手

では、いよいよ Amazon Music の使い勝手の違いに触れたいと思います。「操作パネル」の欄にて記しましたが、どちらも細かな操作はリモートコントロール、具体的には専用アプリで操作します。
両方のアプリを比べた結論を先に書きますと、よく似ていますし、よく出来ています。細かい要望はあっても不満なし。概ねOKです。

感想は2つ。後発の WiiM Mini は NODE をよく研究したんだろうな、というのと、結局のところ Amazon と契約を結び Amazon Music の非公開 API の開示を受けて実装する以上は劇的な差は出ないだろう *1、というものです。

2022/12/12 追記 : 以下、記載日時点の挙動となっており、アプリのアップデートにより変わる可能性がございます。お読みいただいている時点の最新版と異なる点がありましたらご容赦願います。

「リモートコントロールアプリ」について

NODE や WiiM Mini ( 以後、両者をまとめるときにはストリーマーと呼称 ) にとって、アプリは自分に代わり人間の指示を受け付けるリモコンのような存在です。Amazon Music は音楽データを提供してくれる他社様です。

そんな関係性もあり「楽曲を鳴らし始める瞬間」だけを切り取っても、人間が聴きたい楽曲を指定するところからストリーマーが音楽データを DAC に送り出すところまでの間に結構な数の手続きが発生しています。人間、アプリ、ストリーマー、Amazon Music サーバーの 4者で交わされる手続きはこんな感じ*2です。

  • 人間 → (画面タップ、曲再生を指示) → アプリ
  • アプリ → (曲再生指示ありと伝達) → ストリーマー
  • ストリーマー → (ある曲の再生を依頼) → Amazon  Music サーバー
    • Amazon  Music サーバー
      • 曲データを探し送る準備
      • 準備できたら送信開始
  • Amazon  Music サーバー → (曲の様々なデータ送る) →  ストリーマー
    • ストリーマー
      • 受信した楽曲を出力端子へ → 音が鳴り出す
      • 受信したジャケ写や再生時間をアプリへ送信
  • ストリーマー → (ジャケ写や再生時間を送信) → アプリ
  • アプリ → (ジャケ写や再生時間を画面に表示) → 人間

基本的にアプリは、ストリーマーに全てを丸投げして届いた返答を表示することに専念しています。グラフィカルに様々な情報を表示できますし多機能ですので、リモコンというと失礼ではあるのですが、まぁリモコンです。

Amazon  Music を使用している限りにおいて曲の情報もデータもストリーマーから見ると Amazon という他社様の管理物です。ですのでストリーマーの開発会社で自由にデータを使うことはできず、ルールに定められた範囲で「してほしいこと」を Amazon Music のサーバーに依頼し返答を待つ以外のことはできません。
この定められたルール*3が柔軟で豊富か、最低限かでリモコンアプリのポテンシャルは決まりますし、ルールをどこまで駆使してリモコンアプリを作るかで最終的な使い勝手は決まります。ルールが最低限だと気の利いた機能をリモコンアプリ側で用意するのが困難になりますし、逆にルールが柔軟で充実していてもアプリ開発者が活用できないとリモコンアプリの使い勝手は良くなりません。

スマホや PC にインストールして使用する本家 Amazon Music のアプリは Amazon が自社で用意しているものですので、お客様への利便性や自社で考えるアプリの理想どおりにアプリをデザインし、サーバーのデータを活用します。利用履歴を見て選んだお勧めを真っ先に見せたいと考えれば機能を用意しますし、いま旬で推したいアーティストを見せたいと思えば表示を並び替えます。ビットパーフェクト出力対応をしない方針なら実装しません。

この「自社か他社か」の構造を理解すると「仕方ないな」とか「こんなもんだろ」と思えること、「これは実は画期的かも」と思えることが広がります。

Amazon Music 使用時のアプリ挙動比較

NODE で使用するアプリ "BluOS" と、WiiM Mini で使用するアプリ "WiiM Home" で Amazon Music を使用したときの挙動を画面写真を並べて比較してみます。

以下、断りない限り画面左側が "BluOS"で右側が "WiiM Home" です。 

Amazon Music 選択直後

Amazon Music を選択した直後。ほぼ同じ。

アプリから Amazon Music を選んだときの画面です。文字もアイコンも全く一緒です。前の項目をお読みいただいた後でしたら、同じものが並ぶ理由は説明不要かと思います。
WiiM Mini の方には最後に「設定」という項目がありますが、これはアカウントからのログアウト等の操作なので楽曲選択に関するものとは性質が異なります。WiiM Mini の開発者が「ここに並べた方が便利」だと判断したのかもしれません。

楽曲やアルバムの選択

楽曲やアルバムを選択するとき、ジャケット画像があった方が何故かよく感じたり、文字の大きさが見やすいかなどが気になります。人気ランキング⇒人気のアルバム、と選択した画面で見てみます。

アルバム選択

BluOS のほうがジャケット画像の小さい分一画面の情報が多く、WiiM Home のほうはジャケット画像が大きい分一画面の情報が少なめです。とはいえ、サッとスクロールできますので大差はありません。

楽曲再生中

楽曲再生中の画面

楽曲再生中の画面です。Amazon Music から届いた情報とストリーマーとして持つ情報をレイアウトして画面をデザインしています。ここはアプリ開発者の自由裁量のはずですが、よく似ていますね。
どちらも、Amazon music 以外の楽曲を再生できますし、音質も CD 相当やハイレゾ*4でも鳴らせます。ですので、情報を画面に表示していますが何処にどう表示するかで違いが出ています。

個人的には、楽曲提供元の情報は BluOS のモノトーンのアイコン形式が、楽曲データのフォーマットは WiiM Home の文字・数値直書きが好みです。

再生中の楽曲からアーティストやアルバムを呼び出す

これは、WiiM Home にしかない画面遷移です。BluOS にはありません。

再生中の楽曲からアーティストやアルバムへ遷移 ( 全て WiiM Home )

再生中の楽曲に関するアーティストやアルバムを呼び出すという遷移です。左の再生中の楽曲の画面でメニューを表示すると、アーティストやアルバムに関する表示画面の呼び出しが選択できます。

この遷移は、個人的に BluOS を使い始めたころから欲しかったものなので「ムムッ」と思いました。やればできるだろうと想像していましたし、 また BluOS で他の音楽サービスを使用した時の画面構成から、もし実装したら手間や面倒が相応に存在するとも想像していました。しかし、ほぼ Amazon Music HD 専用としている自分には、これができないのは不便で残念でした。

WiiM Home が「こっちのほうが良いでしょ」と語りかけているように感じます。

文字列検索

ストリーマーのアプリによる Amazon Music 利用で、Amazon 謹製のアプリのように起動直後のグラフィカルなレコメンド表示をすることは叶いません。すると、文字列検索を利用する機会が必然的に増えます。

以下、検索結果の画面です。文字列は "RADWIMPS" です。

検索。左が BluOS、中央と右が WiiM Home。

こんどは先ほどと逆で、BluOS が「これが元祖。あるべき姿だよ。」とセンスを見せつけているように感じます。

もしも Google でワード検索したとき、次の画面で結果表示を一切表示してもらえず「検索が終わりました。サイト、ニュース、ショッピング、画像、どの検索結果を見てみますか ?」と尋ねられる画面が毎回出たら、利用者のストレスは半端ないでしょう。「いいからすぐ見せてくれ。」と突っ込みたくなります。

BluOS は検索ワード入力後の最初の画面で、アルバム、アーティスト等の要素別検索結果の上位を表示しています。この時点で既に目的のものが出ていたり、スペルミスに気づいたり、アーティストの名前だったか楽曲の名前だったか区別が付いたりと、見て考えて次のアクションに移れます。検索結果の詳細に移るにしても「たぶんアーティストの下のほうかな」等と表示された上位の結果が補助情報になります。

WiiM Home は、何のワードを入力しても最初は「どの検索結果を見ますか?」という要素を選択する画面です。そこから「アルバム」や「アーティスト」をタップして初めて検索結果が表示されます。変な検索結果でスペルミスしたことに気付くのも要素をタップした後です。これでは実用性に欠けると言わざるを得ません。

察しはします。例えば、Amazon Music のサーバーに問い合わせて素直に返事を表示したら WiiM Home のようになり、内部で先回りして要素ごとの検索もしてしまい一画面にまとめて表示するよう工夫したら BluOS のようにできるとか。このあたりはアプリ開発者のセンスの見せ所でしょう。

リモコンアプリを使用しない方法

一旦ストリーマーの話から逸れます。

細かい操作はできないし指定した楽曲が再生されるとは限らないしで、楽曲再生に音声認識 UI を使うのはどちらかというとストレスに感じる部類だと思いますが、音声認識クラウドサービス Alexa を搭載したデバイスなら人の声で指定した曲名を Amazon Music から探し鳴らしてくれます。画面見て見てタップという手段のリモコンでなく、声という手段のリモコンですね。

そして、NODE 2i も WiiM Mini も Alexa 対応を謳ってます。

Alexa について簡単に

Alexa 自体には、人と機械との「繋ぎ役」以上の役割はありません。人が機械に指示する方法として「音声、自然言語」を使えるよう開発されたもので、画面タップやキーボード、マウスのような入力手段のひとつです。
機械が人の指示を認識したら次はそれに応えることが必要になりますが、Alexa 自体は文字通り「聞く」だけなので頼まれごとに応える機能はありません。頼まれたことが買い物なら Amazon ショッピングに委託、音楽再生なら Amazon Music に委託と全て他頼みです。
Alexa の委託を引き受ける側が増えれば利便性は高まるので、自社サービスに留めず様々な開発会社に情報を公開し Alexa の委託先となるよう開発を促しています。そして、最もシンプルな Alexa 対応デバイスには「言葉で聞かれたら言葉で返事する」という必須の応答ができるよう小さなスピーカーが付いております。

NODE と WiiM Mini の Alexa 対応状況

先に記しましたが、どちらも Alexa 対応を謳ってます。したがって Amazon echo などに「アレクサ、NODE で○□△を再生して」と指示すると NODE から Amazon Music の○□△が流れはじめる筈です。筈ですと書いたのは、申し訳ないのですが音声指示を試せていないからです。個人的には、NODE については非対応といった方が良いのではないかと思っています。その理由を書きます。

この時点で調査や確認を止めました。日本での Alexa 使用は対象外、非対応ということでしょう。日本の Amazon アカウントで Amazon Music を使用している顧客に向けて、日本の Amazon に無く米国の Amazon アカウントを要する Alexa スキルを使いイネーブルにする必要がある時点で少なくとも正常な使用方法とは言い難いです。

このような事情により動作確認を取れているわけではありませんが、調査中に見た reddit 内の書き込みで Alexa 経由で NODE に再生指示すると UltraHD はダウンサンプリングされるというものがありました。であれば尚更ということで断念した次第です。
逆に UltraHD に対応しているという書き込みでしたら米国人になり切って頑張れたのかもしれませんです。

Alexa Cast

本題から逸れてすみませんが、話をストリーマーから再度「Alexa」に移します。

「音声で楽曲をリクエストして聴く」という声を使った UI は、あまり楽しみ方としては適切ではなかったようです。目で見て曲に関連した情報を確認したり、新たな楽曲を発見したり、検索して出てきた候補から複数聴いてみるといった行為は音楽の楽しみ方の一部のようです。馴染みのラジオ局を選択するとか、なんとなく聴くBGMを選んでもらう程度なら音声指定で良いのでしょうが。

しかし、Amazon echo に限らずスマートスピーカーは声での指示のみ、マウスやキーボード、ディスプレイを接続して声以外で日常的に操作するよう設計はされていません。

そこで Alexa Cast 機能です。これは、不自由な音声指示を避けリモコン代わりのアプリで Alexa に指示する機能です。声で指示するために開発されたスマートスピーカーに、声を避けアプリで指示するわけですね。Amazon Music アプリ内で Alexa デバイスを選択すると指定したデバイスのリモコンとして使えるようになり、声での指示から解放されます。

「それなら、最初から無理に Amazon echo で音楽を聴かずスマホのボリュームあげればいいし、スマホから Bluetooth スピーカーに飛ばせば音もいい。」等のツッコミはあると思います。それはその通りだとわたしも思います。しかし、事実と異なる「もしも」の話ですが、スマホではビットパーフェクトで送り出せないけど Amazon echo ではビットパーフェクトで送り出せるとしたら、アプリ操作の Amazon echo にもスマホにはない存在価値が出てきます。たら、ればの話です。

その存在価値のある Alexa デバイスの状態が WiiM Mini の Alexa 対応です。音声指示だけでなく Amazon Music アプリを使った Alexa Cast も OK で、ビットパーフェクト出力です。

WiiM Mini の Alexa 対応を、音声使わず Alexa Cast で操作

「アプリ操作のストリーマーを音声認識バイスとして使うのだけど、声で指示せず別アプリを使う。」という本末転倒な使い方なのですが、これで Amazon Music アプリを使ったブラウズ & 選曲が可能なのですから、こんな有り難いことはありません。
以下に Amazon Music アプリの画像を貼ります。

Amazon Music アプリを Alexa デバイスのリモコン化。音声操作せずアプリで曲指定。

このように Amazon Music アプリから、どの Alexa デバイスのリモコンとして使用するか選択します。選択後は常に Alexa デバイス名が表示されるようになります。

WiiM Mini の全ての機能を使えて Amazon Music 以外の曲も混在させて再生できる "WiiM Home" 使用時と違い、この方法では Amazon Music の曲を鳴らすことしか出来なくなるのですが「どうせ今は Amazon Music の曲しか聴かないから、これでいいや」と割り切れればメリットは計り知れないです。
Amazon Music アプリのもつ楽曲再生以外の操作、検索や歌詞表示、プレイリスト作成等を WiiM Mini を経由せずネイティブで使うことができます。いつもどおり Amazon Music アプリで操作し、鳴らすときだけ WiiM Mini からビットパーフェクトで。高性能なスマホや大画面のパッドを使えば快適そのものです。

Amazon Music 以外について

Amazon Music 以外の話題についても簡単に触れておきます。

2022/12/12 追記 : 以下、記載日時点の挙動となっており、アプリやファームウェアのアップデートにより変わる可能性がございます。お読みいただいている時点の最新版と異なる点ありましたらご容赦願います。

対応しているサービス

以下のスクリーンショットでご確認ください。左が NODE、右が WiiM Mini です。

対応サービス一覧

対応サービスは増えたり減ったりしますので、気になる方がいらっしゃりましたらメーカーサイトで最新の情報をご確認ください。

自宅で構築した Music サーバーの曲を再生する

自宅で NAS、Music サーバーを構築している方もいらっしゃるかと思います。NODE と WiiM Mini の対応状態は以下のようになっています。

  • NODE : Samba、roon
  • WiiM Mini : DLNA

WiiM Mini は WiiM Home だけでなく、他の DLNA クライアントアプリでレンダラに指定して再生もできます。NODE は BluOS で再生するほか、roon で再生もできます。WiiM Mini は roon ready ではありません*5

私個人は、DSD フォーマットの楽曲を結構な数購入しており、また 384kHz 24bit PCM の楽曲も若干購入していますので、192kHz 24bit PCMが上限になっている両機種は残念ながらどちらも NG です。この二機種が私には Amazon Music 専用になってしまうのは、こんな事情がございます。

MQA

NODE はフルデコード対応です。WiiM Mini は対応していません ( 2022/12/12 追記 ) β版が実装されました*6

その他

両方使ったインプレッションですが、WiiM Mini は NODE 2i に比べてかなり「もっさり」しています。NODE 2i なら 1 ~ 2 秒で来る反応が WiiM Mini ですと3~5秒かかる感じです。現行機種の NODE は NODE 2i よりかなり速くなっているそうで、快適なこと間違いないかと思います。

また、WiiM Mini で曲をザッピングしていると、結構な頻度で曲の切り替わり時に「ザッ」とノイズ音が発生します。NODE 2i では発生した経験がございませんです。AK HC2 を使用しているときに鼓膜をやっている [ スティック型DAC、AK HC2でハイレゾストリーミングを気軽に聴く - オーディオ 試行記録 ] ので、この手のノイズは心理的に辛いです(苦笑)。

価格

私が購入した 2020年当時の価格で NODE 2i は 7万円台前半、今の NODE ですと 8万円台です。一方、WiiM Mini は先日 12,900 円で購入しています。この価格差は大きいです。たいていのことを許せてしまいます。最新価格はこちらをご確認ください。

まとめ。最後に。

参考になりましたでしょうか。Amazon Music HD をビットパーフェクトで聴くこと「だけ」に絞りますと、Amazon Music アプリを使用でき安価な WiiM Mini は非常に優れています。自宅のオーディオ機器に組み込むとか、他のサービスを使用すると考えると、NODE や記事で紹介していない他の機器も選択肢となるかと思います。デジタル出力が複数系統あり roon ready な NODE は良い候補になるのではないでしょうか。特に USB 出力は貴重です。

Amazon Music HD に絞らず、広くハイレゾストリーミングをビットパーフェクトで聴くと考えますと「Qobuz や Tidal が日本に参入していたら」とか「AirPlay 2 がハイレゾ対応していたら Apple Music が」などの根本的な部分が変わると今までの Amazon Music での苦労は消し飛んでしまいます。
そもそも論ですが、Amazon Music が自社のアプリでビットパーフェクト出力をしてくれたら、今まで費やしたお金と苦労は良い意味で水の泡です。特に対応が容易そうな iOS でサクッっとコードを書き換えてくれたらと思うと、複雑な心境です。

近い将来「良い意味で水の泡」になる日が来るのを願いつつ、今回はこの辺で終わりたいと思います。

*1:もしかしたら契約内容で公開情報や使用可能なAPIに差がつく可能性もあります。業界の商慣習的に「こんな感じだろう」と推察を並べただけですので、事実と異なる点が多々存在すると思います。ご容赦願います。

*2:プロトコル解析をしたわけではございませんです。実際にはもっと複雑だったり逆にシンプルだったりする可能性がございます。概念として受け取っていただければ幸いです。

*3:Amazon MusicAPI

*4:PCM 192kHz 24bit 上限

*5:アップデート予定に入っています

*6:アップデート予定に入っています